2021.11 ガイド
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ムダになってしまう」と考えてしまうこともありました。でも、昨年11月の国際大会で、男子の内村航平選手が批判覚悟で言った「東京オリンピックは『できない』ではなく、『どうやったらできるか』を皆さんで考えてほしい」というスピーチをテレビで見た時、自分も開催を信じてがんばろうと心を決めることができました。東京オリンピックは、今まで出た大会とは比べものにならないくらい緊張しました。でも、限られた人しか立てない舞台なので、一番楽しくできました。結果は、6位入賞。決勝は、大きくバランスを崩すミスがなければメダルに届いたかも…と思うと、やっぱり悔しい部分もあります。でも、今回は本当に大会が開催出来て、携わってくれた皆さんへの感謝の気持ちが一番大きいです。そして、この地元静岡から出場して、本当に良かったと思っています。東京オリンピックで、自分はミスなくできればメダルが獲れる位置にいるという確認ができたので、今後は順位よりまず、自分の演技をやり切ることを目標に各大会に臨みたいです。そして、来年は大学進学の予定ですが、将来は指導者として体操に関われたらいいなと思っています。大きな感謝と楽しさと悔しさと部活と勉強を両立させるポイントは、時間をムダにしないこと。部活や課外活動が忙しいという人も、通学時間や休み時間など、探せばスキマ時間がちょこちょこあるはず。ぜひ有効に使おう。本番で、練習でやっていないことや実力以上のことをやろうと思っても、うまくいくはずがない。むしろ過剰な自信は失敗の原因になりやすい。普段の力を最大限に発揮するには、「いつも通り」が一番だ。何事も完璧を求めすぎると、自分を追い込んで余計な重圧がかかり、ちょっとしたミスでもダメージが大きくなってしまいがち。「少しの失敗なら大丈夫、挽回できる」とポジティブに考えよう。芦川選手の場合、「順位を下げたくない」など、自分自身に対する「負けず嫌い」が勉強への原動力の一つになっている。他者と比べるよりも、まず昨日の自分、今の自分を超えたいという気持ちが大切だ。特にスポーツでは、大事な場面で集中力を高めたりゲンを担いだりするために、毎回同じ動作をするルーティンがある選手は多い。ただ、これは練習の時からやってこそ意味がある。指導法や学習法では、よく「長所を伸ばす」と「短所を克服する」のどちらに力点を置くのが良いかを問われることがあるが、芦川選手は前者のパターン。長所は武器になり、自信につながるのが大きい。芦川選手に限らず、一流アスリートはみな試合後のコメントで周囲への感謝の言葉を口にしている。自分ががんばれる背景には、必ず家族や先生、友達など、周りのサポートがあることを忘れてはいけない。芦川選手のスランプ脱出法は、良かった時の自分の映像や練習ノートを見返して、その時はどうしていたかを確認すること。また、本当に簡単な基礎からもう一度やり直すのもおススメだ。勉強はスキマ時間を有効に使う常に「いつも通り」を心掛ける完璧でなくても良いと考えるやる気の原動力は「負けず嫌い」芦川うらら選手に聞いたルーティンは練習時から行う長所を伸ばして周囲への感謝の気持ちをスランプ時は「良い時」を確認短所を補う忘れない  142356789自分に負けないための方法

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