四姉妹の末っ子で、2番目・3番目の姉の影響で体操を始め、小学2年の3月に名門の水鳥体操館へ入りました。小学5年の時に2020年の東京オリンピック開催が決まりましたが、その頃はまだオリンピックは夢の存在だったので、「自分が出たい」という気持ちはなかったです。それが、中学2年の時に全日本体操種目別選手権大会の平均台で3位に入り、さらに東京オリンピックに新しく種目別の代表枠ができたことで(以前は団体と個人総合のみ)、「平均台でなら出場できるかもしれない」と現実的な目標になりました。女子の体操では、背が高い方が特に段違い平行棒などは離れ技や移動技が楽にできて良いのですが、小柄な私にはそこがネックでもありました。でも、水鳥体操館の先生方は「得意な平均台を伸ばして、他をカバーすれば良い」と言ってくれたので、「平均台は誰にも負けないようにがんばろう」と思うようになりました。この『長所を伸ばす』という指導方針は、私に合っていたと思います。学校は、水鳥体操館とも連携が取れている常葉大学附属常葉の中高一貫校に進学しました。普段の1日のスケジュールは、朝は富士市の自宅から電車で静岡市の学校へ通い、授業を受けて、放課後に水鳥体操館で4時間~4時間半ほど練習。帰りは母が毎日車で迎えに来てくれて、帰宅後に少し勉強などをしてから寝る…という体操メインの生活でした。体操と学業の両立は大変でしたが、私はもともと負けず嫌いなところがあって、「勉強でも上位にはいきたい」という思いがあったので、勉強も努力してやっていました。とはいえ、睡眠時間の確保の方が優先だったので、本当に少しの時間でも勉強に活用するよう心がけていましたね。例えば、朝の通学電車の移動中とか、放課後の水鳥体操館に行く前の少しの時間とかに、教科書やノートを読んだり、何かを覚えたり。また、わからないところは、学校ですぐにその場で先生や友達に聞くようにしていました。ただ、勉強に関しては、効率が悪いので、集中力が切れたらやらない…という感じでし た(笑)。 I7本当に体操優先で、大会や全日本の行事などで学校を休むことも多かったですが、学校は理解があり問題なかったです。それに、遠足は行けないこともあったけど、修学旅行は中高とも行けました。中学は北海道、高校は沖縄で、楽しかったです。得意なものを伸ばす指導勉強はスキマ時間を有効活用URARAASHKAWA写真提供:静岡新聞社写真提供:静岡新聞社2003年3月8日、富士市生まれ。1歳から体操に親しみ、小学2年時より水鳥体操館(静岡市葵区)に所属する。常葉大常葉中2年時の全国中学校体育大会個人総合で3位入賞、2019年には種目別平均台で全国高校選抜とインターハイを制覇。その後も平均台で、東京オリンピック予選の種目別ワールドカップを3連勝、2020年12月の全日本種目別選手権で初優勝を遂げ、東京オリンピックでは6位入賞を果たした。芦川うらら選手今夏の東京オリンピックで、初出場にして体操種目別平均台で6位入賞を果たした芦川うらら選手。平均台の上をブレなく演技するように、自分の決めた道をまっすぐ歩んできた彼女は、どうやって夢舞台への挑戦と学校生活を両立させてきたのか。また、その強くてしなやかな心は、どのように育まれたのか。今回はその秘密をじっくりと語ってもらった。アスリートから学ぶ
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