教えて教育長!若者の可能性を引き出すには大人の探究心も必要!今の若者はどうですか?自分の足で立つには?地域と世界はつながっている?将来への不安はどうすれば?高校生へメッセージを私は昨年まで静岡文化芸術大学で教壇に立っていましたが、今の学生はすごいですよ。地域活性化のためにクラウドファンディングを主催したり、スタートアップ企業をつくったり、ネットで世界と交流したりと、こちらが驚くばかり。地元のモノづくり企業に就職して、世界との架け橋になりたいと言う女子学生もいました。彼らにとって世界は身近なんです。探究心を育てることです。探究心とは、その時の状況を自ら理解し、考え、行動すること。ですから、教育委員会が推進している探究型学習では正解を示さず、答えへの道筋やヒントだけを提示します。与えられた知識は陳腐化するので、自分で問いを立て、自分で答えを見つけることが大切。それはそのまま自立する力になります。若者の中ではつながっています。それは私たちの世代にはなかった感覚。ということは、私たち大人も今の状況をつかみ、探究心を磨いていく必要があります。教育は押し着せではいけないので、若者の探究心を育てるには、まず私たち大人が、あるいは地域社会全体が探究心を磨いていく必要があると思います。静岡県教育委員会では今、その仕組みをつくろうとしています。できるところから始めてください。世界を目指すとしても、最初はスモールステップで良いのです。大袈裟に構えて行動が遅れるよりも、今すぐリアルにできることを始めた方が良いと思います。そして自分なりに〝いい設問を立てて〟ください。私は若者の可能性を大いに期待しています。探究心の核心は、〝いい設問を立てられるかどうか?〟です。あとはその設問にまっすぐ向き合えば良いのですが、もちろん失敗もあります。でも、それをまた次の設問へつなげれば問題はありません。そうやって探究心を磨いていけば、先の見えない状況でも自分を見失うことはありません。コロナ禍、自然災害、戦争など、高校生にとっても不安な日々が続きますが、探究心を鍛えておけば、乗り切れます。7月号タブロイド紙の完成報告と贈呈109私たちの
元のページ ../index.html#111