Qお客さんの要望をもとに設計し、形のないところから装置をつくり上げることです。様々なことを考慮した上で設計をしていますが、形になり動かないとわからない部分も多くあります。そのため不具合が発生することもありますが、ひとつひとつの問題点を仲間と協力してクリアし、お客さんに装置を受け渡すことができた時は達成感で満たされます。「日本アルス」は焼津市に本社がある従業員約60名の中小企業。ちなみに、創業から50年以上の歴史があるが、ネットで検索をしてもほぼ出てくる事はないだろう。それもそのはず、HPが出来たのはつい最近の事。何故なら、一般に告知する必要がないからだったという。取引先はキヤノン、テルモ、デンソー、東レエンジニアリング、トヨタ自動車、LIXIL・・・など国内外に拠点を持つ、誰もが知る有名企業ばかり。日本アルスはそういった取引先から直接依頼を受け、製造ラインの自動化の提案、設計、装置の製造などを行っている。「ものづくり」というと、どうしても自動車メーカーや電気機器メーカーなどの製品そのものに目が行きがちだが、 意外と盲点になるのが、それらの商品を作り出す製造ラインの機器。会社ごとにつくる製品が異なれば、考え方や工程も違う。しかも今は多種多様な商品があり、少量でも生産を自動化しなければならない。生活の中に身近にある自動車や住宅設備機器、医療機器などの製造ラインに欠かせない産業用機械をつくっている、無名ながらもスゴイ会社が静岡県にあるので取材してきた。メーカーの製造を支えている仕事だから、自社の名前が入った一般向けの製品はない。でもやっている仕事は世界に通用する誇り高い仕事だ。日本アルスでは若い世代の技術者が活躍しており、離職率も低いそうだ。そういった事からもやりがいを感じられる仕事なのがよく分かる。こういった製造現場では、理系の大学生を採用している場合が多く、日本アルスでも、工学部、理工学部で機械工学、情報工学、制御システム、電気電子工学などを学んだ人達が活躍している。将来、就職先を考える時に日本アルスのような、目立たないけれども世界的な技術を持っている会社があることを覚えておこう。なんとなくでもいいので授業でやったことを覚えておくと役に立つことが多いです。例えば三角関数やモーメントは機械設計においてはよく使うので、記憶に残っていればそこから調べて問題点の打開につながることがあります。また、様々な視点から物事を捉えることができれば、お客さまへ提案や問題の早期解決につなげることができるので、固定概念に囚われない柔軟さを養っておくといいです。顧客のニーズをしっかりと聞き取り、基本的な設計や製造を行う設計をもとに具体的な動かし方を練り上げる。電気的なハード・ソフトの設計、現場での調整を行う納期に間に合わせるためにしっかり段取り・準備をし、最終的に装置を組み立て、完成させる。今回、取材に協力して下さった会社日本アルス株式会社焼津市西小川3-6-3 TEL:054-629-4111FAX:054-629-4148仕事のやりがいを教えてくださいご自身の経験を踏まえ、理系に進む、高校生にアドバイス・メッセージをお願いします。17技術課 河野 良介さん(機械工学科) 理系大卒の先輩に聞いてみた技術課電装課仕上課Q無名でも実はスゴイ会社って?産業用機械ができるまで日本のモノづくりを支えている中小企業有名じゃなくても、会社が大きくなくても
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